小説と映画
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『飢餓海峡』を読了す。 あ、映画の「飢餓海峡」も観た。
いや~、水上ワールドですねぇ。人間の宿業を描き出した圧倒的な迫力!に暗く感動する。 水上作品らしい結末で、読後感はやっぱり鉛色。
小説と映画をくらべると、個人的にはやはり小説の方が良くできてると思った。だいたいそうなんじゃないかな。原作の方が深い。 社会派推理小説といわれた『飢餓海峡』のパズルを嵌め込んでゆくような丁寧なプロットの展開は映画の方にはみられなかった。
手法的にみて、小説の“結構”と映画の“文法”は違うのかな?脚色された脚本に問題があるのかな?同じ題材なのに焦点の当て方が変わるからか、テーマに違いが出てくる。 映画の「越前竹人形」の乱暴さにはビックリさせられたが「飢餓海峡」はその点は、わりと原作に忠実で、印象的な映像も見られ良かった。サントラが富田勲で、地蔵和讃の“響き”がテーマソングになってるが、その地蔵和讃が鉛色の海峡に木霊するラストが素晴らしい。潮のうねりと曲のうねり方がぴったり合ってる。小説にはない映画の醍醐味のひとつは、まちがいなく“音からくるイメージ”だな。 あと、伴淳の弓坂警部と犯人の三国連太郎が原作のイメージどうりで観てて楽しい。
あ、役者の確かさも小説を凌駕するひとつの魅力にちがいない。

(9月10日)
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by mop-okamura | 2006-09-11 08:03
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